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出典元:ロングステイ調査統計2008 

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吉野 充巨

吉野 充巨

1945年 東京下町生、花と木育て、読書好きのFP、そして欧州、東南アジアと、アメリカ、NZを訪れ、国内は北は網走、南は鹿児島まで1桁・2桁国道を走破した旅行好きのロングステイアドバイザーです。
退職翌年2006年1月独立系FP事務所として「オフィス マイ エフ・ピ-」を開設。
お客様とご家族の夢や希望実現のため、ファイナンシャル・プランニングを通じて、お手伝いします。
お客様から「私のFP」「我が家のFP」と言われるよう、より良いサービス提供のため、日々研鑽・奮闘中です。
保有資格 ・日本FP協会上級ファイナンシャルプランナーCFP(R) ・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 ・登録ロングスティアドバイザー

吉野 充巨さんのコラム

ロングステイの通貨と為替レートについて

ロングステイの通貨と為替レート ①

 
今回はロングステイ先の通貨と日本円の交換についてのお話です。
 
海外で暮らす場合に重要な要素は為替です。国内にいる時には余り気になりませんが、海外に出かけた際にはとても身近で円レートが気になるものです。
 
ところで、2008年に先進国の株式市場で一番成績が良かったのは何処の国でしょうとの質問がありましたら、「何処」とお答えになりますか?
答えは「日本」です。「えっ!」と驚かれるものと思います。但し、円換算で市場の騰落率を測ったときには、という条件が付きます。リーマンショックのため、円換算ではTOPIXは-41%でトップ、二位はスイスで-43%、以下3位米国-48.8%、4位スペイン-50.9%、5位はフランスで-53.1%でした。日本に居住する我々一般投資家が外国通貨の金融商品を購入する際に、常に注意を払わなければ成らないのが為替です。海外で長期の滞在を計画していらっしゃるロングステイヤーにも言えることだと思います。
 
 
円とドルとの交換レートは、新聞やTVニュースにも載りますから、円高、円安という言葉が目や耳に残ります。この円高ドル安という言葉が意味するところは、極めて短期的な変化です。先週末に円が1ドル100円から99円に変れば円高、月曜日に99.5円になれば円安として載ります。海外に出かける際に、これらを測って交換する訳には行きません。
 
為替の予測はプロでも難しく、度々読み違いが発生します。酷い場合には所属する企業に莫大な損失を与えた記事が掲載されます。それにより銀行が破綻した例もありますから、素人である私たちが「勘」や「トレンド」で予測することは危険と考えています。
 
海外で数年にわたるロングステイを行う際に、貯蓄をロングステイ先の銀行に現地通貨でお預けになる場合日本より高金利ですが、これにつられて、多額のお金をお預けになるのは一考を要します。
ましてや、日本に所有する金融資産の殆どを移すことはお止めください。確かに、預金の利子は入りますが、将来日本に帰る際に円に換えた場合に、為替レートがロングステイ開始時よりも円高にふれていれば、円貨資産が減価してしまう可能性があります。(ロングステイヤーは長期滞在であって移住ではありません)
 
なぜならば、為替レートを決定する要因は、
1.夫々の国における購買力平価の比率によって決まる。
2.夫々の通貨の需要と供給によって価格が決まる
とされているからです。
 
2.のことが分かる良い例は、今回の通貨危機によって、各国の投資家のヘッジファンドなどへの解約により、一時的に米ドルの需要が高まり、供給が滞ったため、主要な国の中央銀行が米国と調整を図り、米ドルの無制限ともいえる供給を開始した事例でも分かります。リーマン破綻当初米ドルは全面安になりましたが、上記の事態により、その後は日本円を除く全ての通貨に対して米ドルの価格が上昇しドル高に一変致しました。
 
1.の購買力平価に従うという原則は、長期的にはという「但し」が付きますが、常に正しい原則です。良く、「高金利国の通貨は強くなり、当該通貨に対して円安になるから儲かる」と、いう方がFPやファンドマネジャーがいらっしゃいますがこれは間違いです。
当初は高金利国の通貨での運用に人気が出て、ブームが発生します。この最初に当該通貨を購入して、ブームが続いている間に円に換えれば儲かります。が、ブームですのでいつかは弾けます。この例は、2005年から始る円安ブームで過剰に円安に振れ、2008年に一気に円高になって、FXで大きな損失を抱えた方が大勢いらっしゃいました。
 
購買力平価を二国間の通貨の為替レートに当て嵌めますと、金利が高い国はインフレ率も高く、将来的にその国の通貨の価値が下がることを意味しています。金利の低い国はインフレ率が低いので、通貨の価値がゆっくりとしか減価しません。
 
例えば、A国の金利が10%、B国の金利が1%と仮定します。そして、両国の通貨の交換レートが現時点で、1Aドル=100B文で、とします。両国に出店しているマクドナルドのビックマックの価格が、A国では2ドル、B国では200文の場合、両国のインフレ率(消費者物価上昇率)が金利と同じと仮定した場合(通常はインフレ率が金利を上回ります)には、3年後のビッグマックの価格は、A国では2.66ドル、B国では104文です。ビッグマックを挟む為替レートは2.66ドル=1ビッグマック=104文ですので、1Aドル=39.1文という、大幅な文高になります。これが2008年に発生した円高のメカニズムです。
二国間の金利の格差は必ず為替で調整されるとお考えください。
 
従いまして、ロングステイヤー(ロングステイ先を居住地とする)の皆様が、海外で暮らす場合には、円の持ち出しは必要な額だけになさるのがベターです。その点、定年退職後ロングステイでは、公的年金は社会保険事務所に依頼しておけば、現地の銀行に送金が可能ですし、送金手数料は日本国が持ち、税金も掛かりません。これを生活費のベースとして、貯蓄は日本の銀行に預けたまま、運用は証券口座で凍結されても良い資産・銘柄にして、不足分を都度ロングステイ先に送金(偶の帰国時に持ち出し)する手はずを整えてから出発されるようアドバイスいたします。
 
各国の為替レートを、マクドナルドのビックマックで試算する仕組みは、ビッグマック指数として、英国のエコノミスト社がホームページで公開しています。また、ロングステイされた国でのビッグマックの値段で日本のビッグマックの値段を除すれば、為替レートが円高に振れているのか、円安に振れているのかが、凡そ分かります。空港に着いた際にターミナルに入っているマクドナルドでお試しください。
 
【記事投稿:2009年10月23日】

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